こんにちは、管理人のかどやんです。
4月初旬から、新婚旅行に出かけておりました。2週間ちょっと旅に出ておりまして、久々の外の世界にドキドキワクワクしながら楽しんできました。
今回は、オーストラリアでお世話になった方達に会いに行こう!をテーマに、お友達を訪問する旅でした。
オーストラリアは私に、人を大切にすること・自分を大切にすること・時間は有限であることを教えてくれた大切な場所。
仕事が変わったり、引っ越したり・・・と、会わない間に取り巻く環境は変わっていましたが、みんな元気で良かったです。
そして、ここからが今回、この記事で書きたかったことです。
オーストラリアからの帰り道に訪れたのがバリ島。
リラックスできるかと思いきや、私のイメージとは違い、色々あって疲れてしまったというのが正直な本音。
けれども、ある男性との出会いで、自分のあり方を学んだ旅でもありました。
平和ボケしていた私に、いいパンチをくれたバリ島の旅。
奪うか与えるか。やっぱり、与えることを選んだ方が、チャンスは巡ってくるのだと改めて感じたのでした。
バリ島でぼったくられまくる
空港を出てすぐ、タクシーの軍団が目の前に現れました。ホテルまで連れて行くよ、どこから来たの?と英語でフレンドリーに話しかけてくれます。
ある一人のドライバーが、笑顔でずっと話しかけてくるので、お願いすることに。
車中でも、観光はどこに行くのか?良かったら僕が案内するよー!と営業をして来ます。そして、家族の話。
子供が3人いてね、3人目は産まれたばかりなんだ。だから必死に働かないといけないんだよ。わかるよね??
そうなんですね。大変ですね。とうんうんと話を聞いていて、請求された額日本円で約3000円。空港からホテルまで、多分20分くらいです。
なんか高くない??バリ島ってもっと安いイメージだったんだけどな・・・。まぁ、仕方ないかと支払いを済ませてホテルへ。
運転手さん、笑顔で手を振って見送ってくれました。
でもやっぱりおかしいと気になったらしく、旦那さんネットで調べ始めた。
そして数分後、もらった名刺を静かにゴミ箱へ・・・。
やっぱりボッタくられたのね。苦笑
オーストラリアが楽しすぎて、バリ島について詳しく調べなかった私達が悪かったと二人で反省。
でも、こんなのまだ序の口だったのです。
それからも色々とあり、テンションだだ下がりの時に乗ったタクシーでの出来事。
タクシー「2000円でどう?」
私達「高いですね。負けてくれないなら他探しますけど。」
タクシー「なら、600円でどう?」
私達「じゃあ、600円でお願いします。」
運悪く渋滞に巻き込まれ、当初よりもだいぶ時間がかかって目的地に到着。600円を渡すと、
タクシー「違う違う。2000円だよ」
私「いやいや、600円って言いましたよね?」
タクシー「言ってないよ。2000円だよ」
私「2000円だったらこのタクシー乗ってないよ!!」
タクシー「じゃあ渋滞して時間がかかったから2000円」
5分ほど押し問答が続き、タクシードライバーが言い放ったのがこの言葉。
「I have スリーチルドレン!!!!!! just pay!!!!」
バリ島に来てから何度も何度も聞いていた「チルドレン」という言葉に、ついに我慢の限界を超えた。
チルドレンがいたら、平気で嘘ついて人騙してもいいの?恥ずかしくないの?
怒りが沸点に達した私。
絶対に汚い英語は使ってはダメよと教えてくれたホストママに、ごめんねと謝りながら「F○○○ you」が前歯の裏まできたところで、静かに説得を開始する旦那さん。
旦那「いやいや、それはオカシイよね。約束と違うよ。渋滞は仕方ないから、1500円で手を打ってくれないかな?」
それでも「ノー」しか言わないタクシードライバー。
結局埒が明かず、時間が勿体無いので諦めて2000円払い、バイバイしたのでした。
きっと自分は恵まれすぎなんだろうな。真の意味での生きるってこういうことなのかな・・・となんか変に悶々。
けれど帰りのタクシーは、10分の1の値段の200円・・・。安すぎでないか逆に心配になって、少し多めにお支払い。(少し渋滞していたこともあったので)
この時点でもう正直、うんざり。早く台湾に帰りたい。これが本音。
ある一人のガイドとの出会い
2日間は自分達で行動していたのですが、3日目は、車を一日チャーターしてドライバー兼ガイドをお願いすることに。
またどうせぼったくられるよね・・・と、テンション上がらず朝から投げやり状態の私。苦笑
9時半にホテルで待ち合わせ予定だったのですが、9時10分頃にケータイに連絡があり、もう着いたとのこと。
早っ!まだ準備できてないと焦る焦る。
ロビーで待っていてくれたのは、ガイドのワジャンさん。
ここからまた家族の話いっぱい聞かされるんだろうな・・・と、心の中ではそんな事ばかり考えて憂鬱。
でも、ワジャンさん、「どこに行く?プラン決めてる?遠慮なく色々言ってね!10時間とことん楽しんで欲しいんだ!」と、丁寧に一生懸命話してくれます。
どちらかというとシャイなようで、会話は主にバリ島のこと。家族の話は聞かない限り自分からはしません。
対応も紳士的で控えめ。
私たちの要望を叶えようと、一日中必死に対応してくれます。私たちの嫌いな交渉も代わりにしてくれて、これは本当に助かりました。
今までの嫌な思い出が嘘みたいに楽しく、一日があっという間に終了。
そして一日分の料金を渡した時のこと。
ワジャンさんはありがとうと言い、確認することをせずに、そのまま袋にしまってしまったのです。
いやいや、ぼったくられてたらどうするんですか??って、これには思わず突っ込んでしまった。
心底いい人なんだろうな。
誠実な人柄に安心した私たちは、せっかくだから残りの日もお願いしようと、追加で2日ガイドをお願いすることにしたのでした。
もちろん、お金を払っているというのはありますが、それ以上に私達を楽しませようと一生懸命なんですよね。
その気持ちが嬉しいというか。
私たちが食事をしている間、いつも一人外で待ってくれているのですが、なんか申し訳ない気持ちになって、せっかくだから一緒に食事をしようと誘うことに。
この時に、家族のことをあれこれと詳しく聞いて、初めてお嬢さんが二人いることを知りました。
だから、家族のために頑張らないといけないんだと、静かに言います。
そして、一日が終わりホテルに着いた頃、良くしてくれたお礼に良かったらもらって欲しいと渡されたのがこの絵。趣味で描いているとのことでした。
クオリティが高すぎて絶句。すごいの一言。
話を聞けば、仕事のない時はこの絵をビーチで売ったりしているとのこと。
しかも、珍しい手法を使っているらしく、地元の人が技を盗みにやってくるそうです。
色々と見せて頂いて、一枚はご好意に甘えて頂いて、お土産に2枚購入。
そして早速、旦那さんは台湾で有名なサイトに書き込みをして、ワジャンさんの絵をお勧め。すると、是非とも絵を買いたいと台湾人の方から連絡があり、持ち帰って渡すことに。
最終日。
私達は良きお友達となり、また会いに来ることを約束し台湾へ帰国したのでした。
ワジャンさんから学んだこと
台湾に帰ってきて、「F○○○ you」と言いそうになったタクシーの運転手さんのことをふと思い出しました。
あの人はきっとこれからも、自分が言った額以上を得ることはできないのだろうな。
当初の価格600円しか払わない人もいるかもしれないし、中には、払わない人もいるかもしれない。
この人は絶対に、それ以上を得ることはできないのです。
だって、奪うことしか考えていないから。
でもワジャンさんは違いました。
とにかく、与えることに徹していました。
子供だっているし、生活だって苦しいのだと思います。でも、それを盾にして卑怯なことはしませんでした。
だからこそ私達は、心を動かされたのです。
ガイドを追加で2日お願いし、一緒にご飯を食べ絵を購入し、さらに彼の力になれる事はないかと、あれこれと考えるようになりました。
彼がもし、与えようとしてくれなかったら、私たちはガイド一日目で終わりにしていたし、友達になることもなかったと思います。
勘違いしてはいけないのは、与えても必ずしもいい事ばかりではないという事。利用して奪われたりすることもあるでしょう。
でも。彼はこれからも、与え続けるんだろうな。
奪うことでは得られることも少ないと、彼はすでに知っているのだろうなと思いました。
必死に何かを奪おうとするのではなく、与えようと努力してみる。
上手くいかないことが多いのは、実は自分が奪うことに必死になっているからかもしれません。
奪おうとする人間に、何かを与えようとは思いませんよね。
振り返ってみると、20代の頃の私は、上手くいかない事が多かったです。それは、自分が奪ってばかりいる結果だったんですよね。
奪うことに必死になっている人ほど、本人はそのことに気がついていない場合がほとんど。
バリ島は、どちらかというと、観光客からいかにお金を取ろうかと考えている人達の方が多いと思います。
その中で、与えることを選べる強さ。ワジャンさんの凄さを感じました。
こういう人は、どこにいても、人から必要とされて生きていくのだろうな。
どこにいても、どんな状況にあっても、どう生きるのかは自分の手の内にあるのだなと感じた出来事でありました。
記事更新したいと思いながらも、色々と悶々とする事があって出来なかったのですが、ワジャンさんと出会って、気持ちが晴れました。
自分に必要なことって、本当に必要なタイミングでやって来るものですね。
いい刺激を頂きました。