こんにちは、台湾在住7年・ライターのかどやんです。
台湾に興味を持ち始めたときに、真っ先に疑問に思うのが
台湾人は一体何語を話しているのだろうか?
という事ではないでしょうか。
私の場合は、台湾に住んでいると言うと「台湾語が話せるの?」とよく聞かれるのですが…
台湾の公用語は実は「中国語」なんです。
とは言え、実際は中国語以外にも台湾語やその他の言葉が話されていたりと、台湾の言語事情はかなり複雑です。
また、台湾で話されている中国語と中国で話されている「標準語」には大きな違いがあったりします…
という事でこの記事では、台湾の言語や台湾語と中国語の違いなどを分かりやすくまとめてみました。
参考になれば幸いです。
台湾人は何語を話すのか?
台湾で話されている言語はこちら↓です。
- 中国語
- 台湾語
- 客家語
- 原住民語
このうち、中国語は公用語であり、その他の台湾語・客家語・原住民語は方言(ローカル語)的な位置付けになります。
また、方言の中でも台湾語は人口の約7割の人が話す事ができ、特にご年配の方々が使っている印象です。
下記で詳しく解説していきます。
台湾の公用語は「中国語」です
台湾では幾つかの言語が話されていると申し上げましたが、台湾で最も話されているのは公用語の「中国語」です。
ただし、中国の標準語(普通話)とは異なる点も多く、普通話に対して台湾の中国語は「台湾華語・中文・國語」などと呼ばれています。
(中国と台湾で話されている中国語の違いは後述します)
台湾語とは?中国語とはどう違う?
台湾語は台湾では「台語(タイユー)」と言います。
ウィキペディアによる説明はこちら↓
台湾語は、福建省南部で話されている閩南語(Bân-lâm-gú、Hokkien)から派生し、独自の発展を遂げた変種であるが、部分相互理解が可能である。伝統的に、台湾語は 中国語という大きなグループ内の方言と見なされている。
引用:台湾語
台湾語は閩南語から派生した言語であり、台湾語を話す人達の祖先は福建省から移住してきた人達が大半です。
台湾語には日本統治時代の影響を受けた単語がある
台湾語には、日本統治時代の影響を受けて、日本語のままもしくは少し変化した面白い単語なんかもあります。
例えば、
などなど。
頭コンクリ・・・??を初めて聞いた時は、妙に日本語っぽい単語だなと思ったのですが、おそらくその昔日本人の誰かが使っていたんでしょう。笑
他にも、まだ中国語が出来なかった時に義父が”ネクタイ”と言っていて、マニアックな日本語知ってるな!と感心していたら台湾語だったという事もありました。
台湾語と中国語は全く別物
台湾語が中国語の方言的な位置付けという理由で、この2言語は類似していると誤解されがちですが、全く別物です。
中国語を勉強して7年経った今でも、私のような台湾語ど素人の外国人には理解不能…
特に難しいのが声調(トーン)です。
中国語の声調は4声+軽声ですが、台湾語はなんと「8声」。
中国語学習者ならこの「8声」の驚異を理解できるはず!!
4声でも苦労するのに8声ってもう異次元です…。
普段どのくらい台湾語を話すの?
台湾人の74.5%が台湾語を話しますが、実際は↓こんな感じです。
我が家の場合は、台湾人夫の家族が彰化出身ということもあり、義父と義母は基本的に台湾語で話します。
そして30代の夫と話す時は、台湾語と中国語のミックス。
中国語を話してるな~と聞いていたら、器用に台湾語にシフトしまた中国語に戻ってきて…
という具合で、聞いている私はかなり混乱します。
ハ長調のメロディーが、急にト長調に変わる感じでしょうか。ものすごく器用です。
よくよく考えると「台湾語」と「中国語」を話しているので、すでにバイリンガル!
すごいですよね。
客家語や原住民語はどのくらいの割合で話されている?
台湾語以外の言語では、客家語・原住民語があります。
客家語は人口の約1割程度、原住民語は約1%程度の割合で話されています。
台湾語に比べると少数なので、普段はあまり聞く機会がありません。
因みに、日本でも有名なビビアン・スー(徐若瑄)は、原住民族のタイヤル族の血筋です。
台湾の中国語「台湾華語」と中国の標準語「普通話」の違い
続いては、台湾で話されている中国語(台湾華語)と中国で話されている中国語(普通話)の違いについてです。
簡単にまとめると以下のような違いがあります。
- 文字の違い
- 語彙の違い
- 発音記号の違い
- 発音の違い
それぞれ詳しく解説していきますね!
(便宜上、台湾で使われている中国語を台湾華語、中国で使われている中国語を普通話とします。)
① 文字の違い
日本語 | 観光 | |
台湾華語(台湾) | 繁体字 | 觀光 |
普通話(中国語) | 簡体字 | 观光 |
一般的な中国語(普通話)の参考書を買うと書かれているのが「簡体字」です。
日本人からすると、簡略化されすぎていて、その文字から意味を想像するのが難しいものが多々あります。
一方、台湾で使われているのが「繁体字」。
日本語と同じ漢字もしくはちょっと複雑な漢字です。
日本人には親しみやすく、発音がわからなくても見れば理解できるケースが多くあります。
② 語彙の違い
日本語 | 弁当 | クーラー |
台湾華語(台湾) | 便當 | 冷氣 |
普通話(中国) | 盒饭 | 空调 |
文字の違いの他に、使われている語彙が違う場合もあります。
これは、歴史的背景が大きく関わってきます。
ここでは詳しい説明は割愛しますが、簡単に説明すると、
1949年に中華民国政府が台湾に移転したあとに出現した事物に関しては、台湾独自の言い回しが使われるようになっています。
③ 発音記号の違い
日本語 | ありがとう | |
台湾華語(台湾) | 注音(ボポモフォ) | 謝謝 ㄒㄧㄝˋㄒㄧㄝ ˙ |
普通話(中国語) | 拼音(ピンイン) | 谢谢 xiè xie |
中国語を勉強するときに必須なのが、発音記号です。
普通話では拼音(ピンイン)というローマ字を使った表記。
一方で台湾はというと、注音(ボポモフォ)という台湾独自の記号(ㄅㄆㄇㄈ)を用います。
因みに台湾人は拼音の読み方がわかりません。
台湾華語を勉強する際はピンインでも注音でもどちらでもOKですが、注音がわかるとより台湾人とのやりとりがスムーズだと個人的には感じます。
④ 発音の違い
中国語には「そり舌音」という発音があります。
英語でいう『R』に近い発音で、その名の通り舌を反らして発音します。
普通話ではしっかりと反り舌で発音し、当然語学学校でも舌を反らして発音するように教えられます。
が、しかーし!
台湾人はそこまでしっかりとそり舌で発音しません。
台湾人の夫曰く、「めんどくさいから」だそうです。笑
難しいのが、日本語の発音で舌を反らさずに発音すると、全く通じないんですよね…
なので最初はちゃんと反り舌で練習して、徐々に台湾人のように手を抜くがおすすめです。
台湾で話されている言語のまとめ
台湾の言語・台湾語と中国語の違いなどをおさらい↓。
台湾では様々な言葉が話されていますが、
台湾に留学したい・台湾人の彼氏がいて台湾の言葉を勉強したい!
そう思っている場合は、公用語である「中国語」を勉強しましょう。
更には、今のところ台湾人としか話す予定のない場合は、とりあえず台湾華語で基礎を固めるのが効率的でおすすめです。
台湾で話されている言語について、少しでも理解が深まれば嬉しく思います。
それでは、また♪
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